突然だが、事務所がプネというところへ移転することになった。
いままでは、天竺のムンバイというところに事務所があったのだが、このムンバイというところもよくわかっていなかった。聞くところによると昔、ボンベイと呼ばれていたところだそうだ。あ~なるほどねボンベイか。わかった素振りをしてみるも、よく考えてみれば、私はボンベイも知らないので、ボンベイと呼ばれていたところだよと教わったところで、なんの意味もない。上司に尋ねるとボンベイってのは昔、大噴火があって大変だったところだよと言う。それはきっとイタリアのポンペイではないかと思うのだが、上司なので黙っていた。
ムンバイもよくわかっていないというのに、突然プネだそうだ。注意力散漫な御仁は、プネといえばサザエさんの御母堂様ではないかと考えるかもしれないが、慌てないでほしい。それはフネである。
しつこいようだが、繰り返させて頂こう。
プネとは、フグ田タラ男氏の祖母であるところの、磯野波平氏の連れ合いであるところの、伊佐坂難物氏の連れ合いであるおカル女史の女学校時代からの親友であるところの、あのご婦人とは全く関係がない。
あのご婦人は、イソノのフネであり、インドのプネではないということに気をつけて頂ければ幸いである。
聞くところによるとインドのプネというのは学術都市だそうである。
学術都市。穏やかではない呼名である。
漢字を原義分解すれば、それは術を学ぶ都市となる。どんな術なのであろうか?やはりアレか、白戸三平とかそういったアレであろうか。
伊賀忍法帳に記されているところの忍法雲隠れの術とかそういった術であれば、都合の悪いときに使えると思われるので、憶えておいて損はないだろう。
そこへいくと、イソノのフネは駄目だ。
御子息であるところの磯野カツオ氏の教育を完全に放棄している節がある。
これが、昭和初期であれば良いのかもしれないが、時代の波は確実に磯野家を飲み込んでいるのだ。教育を放棄した嫁に代わって夫であるところの磯野波平氏が逆鱗を飛ばす。「まことにけしからん!」
娘であるところのサザエ女史の罵倒が飛ぶ。「こら~カツオ!」
冷静に考えてほしい、21世紀なのだよ。
姉と実父による虐待ではなかろうかと心配させられるが、やはりフジテレビもそこらへんを考えていたようだ。最近はそのような描写が減ってきた。あの悪戯好きと性格付けされていた筈の磯野カツオ氏が甥であるところのフグ田タラ男氏の夢を壊さんと頑張る良いお兄さんを演じている。まるで優等生だ。
どういうことであろうか。ちっとも面白くないではないか。
そこへいくと、インドのプネは素晴らしい。
世界中の学生がプネを訪れるのだそうだ。やはり白戸三平は偉大だということか。これは憶測だが、影の軍団に出演していた千葉真一もプネで術を学んだのであろう。術を学べるところなど世界中にそうはない筈であるから、あたらずも遠からずと思われる。伊達にサニー千葉ではないのだよ。
サニー千葉というと迂闊な御仁は、千葉県のニッサン・ディーラーではないのかと考えるかもしれないが、慌てないでほしい。サニー千葉というのは、ハリウッドで千葉真一が自分で名乗っている名前だ。
そこへいくと、イソノのフネは駄目だ。
女学校時代からの親友であるところのおカル女史と呑気に井戸端会議だ。
唯一褒めるところがあるとすれば、主婦の定番であるところの芸能界のスキャンダルだとか、皇太子ご一家の話題といった一般的なゴシップを話題にしないことだ。ことによると女性自身だの女性セブンといった雑誌は桜新町では発行されていないのかもしれない。謎は深まるばかりである。
そこへいくと、インドのプネは素晴らしい。
聞くところによると、学術都市だけあり東のオックスフォードなどと呼ばれるらしい。やはりオックスフォードというからにはオックスフォードなのだろう。ハリソンフォードまたはジョンフォードの親戚筋だと思われるが、なにやら穏やかではなく凄い感じがする。しかしながら、不思議なのは東という点だ。地図で確認してみるとプネは天竺の西にあるように思われるのだ。こう逆三角形のインドの左側にあるわけで、どう考えても東には見えないのだ。
これはどうしたことだろうと、しばし考えてみたところ、アメリカ人であるところのハリソンフォードからみて東にあるということなのではないかという結論に至った。至ったのであるが、いまだ釈然としない。
たとえば、地球が平坦な平面状で、世界の端には大きな滝があるというような世界構成ならば話は別だが、地球は文字通り球状である故、ニコチャン大王などは地玉と呼んでいたではないか。そうつまりバスコ・ダ・ガマが大航海時代に世界一周をして証明したように、地玉は丸いのだから、ハリソンフォードから見て東だろうが西だろうがどちらもプネなのである。
幾つかの実例を提示し、インドのプネとイソノのフネの違いを考察してきた本論文の意図を理解して頂けたであろうか。末筆ではあるが、サニー千葉はニッサンの千葉支店ではないということを記し、論を締め括るものとする。




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