「星の王子様ニューヨークへ行く」という映画の中に出てくる台詞だ。ニューヨークのクイーンズにあるマクドナルドそっくりなハンバーガーショップの親父がこんなことを言うのだ。大手ハンバーガーショップとそっくりな概観、そっくりなMという字の看板があったとしても、それはたまたま似ているだけだ。おまけに親父の名前がダニエルだから、名前もたまたま似た感じになっちゃいました。とぅへへ。真似をしておきながら、すべてを正当化させてしまう怒涛の説得力がある。なんてったって、名前なのだから、うちが悪いんじゃなくてたまたま大手に似た名前のハンバーガーショップがあっただけだそうだ。
私はこの台詞にいたく感銘を受けた。それ故、他への応用も考えてみた。
なるほど、道理でカラオケの機械が扉に入らなかったりするわけだ。
伊藤忠じゃないもん、荒井注なら納得だ。
なるほど、道理で日本人ぽい顔をした江藤くんや山田くんがいるはずだ。
ビートルズじゃないもん、ずうとるびなら納得だ。
なるほど、道理でレノンさんの横でわけのわからない奇声をあげているわけだ。なんてったって、ヨーコさんはアバンギャルドアーティストだもん、わけがわからなくても納得だ。
幽霊の正体見たり枯れ尾花と言われるとおり、人は時として精神安定のため不可思議な現象に対して理由を付けたがるものである。オノヨーコなどは存在自体が不可思議であるのだが、それを逆手に取ってみてほしい。なんてったってオノーヨーコドーだ。不可思議でもぜんぜん大丈夫だ。
さて、毎度のことながら本題とはまったく関係のない枕で、筆を汚してしまった。本題は、正月についてである。日本に居住しておられる方々にとっては、正月なんて話題が古いのではないかと思われるだろうが、今現在、本中華では正月真っ最中なのである。
実のところ、10月後半にディワリという天竺の正月があった。1月1日には日本に帰国していたので、当然のように日本の正月があった。そして本中華の正月である。なんとこの数ヶ月の間に三回も正月を経験してしまった。
本中華は陰陽暦なので1月26日が正月だそうだ。日本も昔はこの時期に正月があったはずなのだが、今は西洋暦となっているので、1月1日が正月ということになっている。実に釈然としない話である。つまり、本中華だろうが、天竺だろうが、西洋暦を使っているけれども、正月などの伝統行事はちゃんと自分たちの暦を使っているのだ。なぜ、日本だけが暦の変更とともに伝統行事の日程まで変更しなければならないのだ。
おそらく、ペリー提督あたりに騙されたと思われる。
ペリー 「アナタノクニノ ハッピーニューイヤー ハ」
「ナンデ イチガツイチニチデハ ナイノデスカ?」
勝さん 「大変だ!間違えた!」
西郷どん「こりゃあ、大変でごわす!正月を1月1日にするでごわす!」
陰陽暦に従った伝統的行事なんだから、まったく問題ないと思われるのだが、正月の日程まで変えてしまうとは、困った人たちである。
おかげで約100年後の私が、正月を三度も経験するという非常事態に陥ったではないか。だいたい、勝さんも勝さんである。間違えたとか、そういう問題じゃないだろうに。ごわすとか言ってるし、呑気な人たちだ。
…などと勝手に想像して、勝手に怒ってみたが、オノーヨーコドーに従い精神の安定をはかってみる。
ペリー 「アナタノクニノ ハッピーニューイヤー ハ」
「ナンデ イチガツイチニチデハ ナイノデスカ?」
勝さん 「ふざけるな!うちのはハッピーニューイヤーじゃなくて正月だ!」
西郷どん「そうでごわす!」
「正月が1月1日なんてモルモン教徒ぐらいでごわす!」
ペリー 「チョット マッテヨ! ユタ シュウ バカニ シナイデヨー!」
幽霊の正体見たり枯れ尾花である。
ペリーはペリーじゃなくてデリカットだったようだ。
JAPANESE/ENGLISH




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